私はビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)の靴で、革がオイルドレザーの『ロンドン(London)』を持っています。
この革って、マットな質感が味わい深いんですよね。
しかし先日、同じロンドンのオイルドレザータイプを履いているのに、その足元の革が輝いているビルケンシュトックの店員さんを発見。
革質がマットじゃなく、ツヤツヤになっていたんです。
店員さん曰く「革のマットさを十分楽しんだ後は、またひと味違った感じにイメージチェンジもできるんですよ~」とのこと。
1足で2度楽しめるなんて、お得だし面白いですよね。
そこで早速、どうやったら光沢感を出せるのか、店員さんにやり方を聞いてきました。
実際に私の持っているオイルドレザーでも試してみたので、そちらも後半で詳しくご紹介しますね!
ビルケンのオイルドレザーの艶出しとは
まず最初に、ビルケンシュトックで販売している製品に使われている『オイルドレザー』について、簡単に紹介します。
その革を艶出しするって具体的にはどういうことなのかも、お話ししていきますよ。
オイルドレザーはマットで表情豊か
ビルケンシュトックのオイルドレザーってどんな革かというと、オイルがたっぷり含まれた革にワックスがけをしてあるものになります。
革本来の模様や傷が見えやすい仕上げ方なので、1足の中で色の濃淡や色んな革の表情が楽しめるんですよ。
また同じ型・色の靴でも、オイルドレザー製だとそれぞれ微妙に色合いなどが異なるので、自分だけの1足という満足感が高いのも魅力です。
手触りはしっとりしていて、マットな感じ。
そしてこの革は、擦れると比較的跡がつきやすいという特徴があります。
でも実際は、お手入れでそこまで目立たなくなるので大丈夫。
跡がつきやすいということは、それだけ経年変化もしやすいということなんですよ。
だから最初は固い感じがしていても、すぐに足型に馴染んできて自分らしい形になり、愛着が湧きます。
そんなオイルドレザーの表面は、こんな感じ。
引用元:ビルケンシュトック公式サイト
かなりマットです。
この革が使われている靴は何種類か販売されていますが、有名なところではサンダルの『アリゾナ(Arizona)』
とかクロッグ(かかと無しの、スリッパのようなデザイン)の『ボストン(Boston)』
があります。
そして店員さんが履いていて、私も持っているのがこちらの靴『ロンドン(London)』
私はハバナという色の種類のオイルドレザーのタイプです。
オイルドレザーは履いているとどんどん経年変化していくので、その変わりようが楽しいですよ。
今回の艶出しはワックス不要
革を艶出しするというのは、簡単に言うと『革を磨いて光沢感を出す』ということです。
革靴に艶出しをすると、こんな感じになるんですよ↓
もともと表面が滑らかな革でも、艶出しをすると印象が変わりますね。
光が反射するくらいの光沢感があると、華やかで上品な感じがします。
艶出しのやり方は、ワックスを革に塗って磨いていくというのが一般的です。
ワックスは色んなタイプがあって、シート、スポンジ、クリームなど様々。
どのタイプにせよ、ビジネスマンなら革靴のお手入れに一度は使ったことがあるかも知れません。
しかしここで注意があって、大抵の艶出しワックスって起毛系や艶消し仕上げの革には使えないんですよ。
多くのワックスは、ビジネスシューズのような艶感があってなめらかな革質のものに、より艶を与えることを想定して作られていると思います。
オイルドレザーは起毛でも艶消しでもないんですが、一般的な靴によく使われている革ともちょっと違いますよね。
だから、そのへんで売っているワックスを使えば100%艶出しできるという保証はありません。
そして私個人の見解ですが、今回の1足のためだけにワックスを買うのも勿体ないなぁと思っちゃったりして。
そんな私にビルケンシュトックの店員さんは、神の助言をくれたのです。
お客様がお持ちの、そのお手入れクリームで艶出しできますよ!
これは他に持っているビルケンシュトックの靴を、私が何のクリームを使って手入れしているかという話題の時に出た言葉でした。
私が使っているそのクリーム(後で詳しくご紹介します)がまさに、オイルドレザーの艶出しアイテムだったんですよ。
それなら新たに買わなくても良いじゃん!やってみよう!!
ということで店員さんが教えてくれた方法で、私もオイルドレザーの艶出しにチャレンジする運びとなりました。
マットな私のビルケンシュトックのロンドンがどう変わったか、後で紹介しますね。
使うのはこの万能お手入れクリーム
私が普段、オイルドレザーのロンドンを手入れする時に使っているのは、こちらのコロニルの『オーガニックプロテクト&ケア』
です。
これはもともとボストンのスエードレザーを買った際、ビルケンシュトックの店員さんからおすすめされたもの。
オイルドレザーにもいけるみたいなので、ロンドンにも使っています。
このスプレーを使うと、オイルドレザーの質感は変えずに、乾燥してきた革が保湿されて良いコンディションに戻ります。
ミスト状に出てくるスプレータイプで、香りも爽やかなハーブっぽい香り。
シュッシュッと心地よく靴にかかり、香りに癒されながらお手入れタイムが過ごせます。
玄関先で使っていても家族に臭いと注意されない、大変重宝するスプレーです。
でも今回はオイルドレザーに艶出しをするので、使うのは別のアイテムになります。
それがこちら
コロニルの『シュプリームクリームデラックス(無色タイプ)』です!
これを、普段のお手入れの時に使っているクリームやスプレーと置き換えるだけでOK。
シュプリームクリームは私のこのブログでも登場回数が圧倒的に多い、頼れる万能クリームです。
革製品の手入れといったら、とりあえずコイツを1つ常備しとけば間違いありません。
そんなシュプリームクリームをオイルドレザーに使うことで、艶出しが実現できるんです。
艶出しの方法を詳しくご紹介
それではここから、シュプリームクリームを使って艶出しする方法をご紹介していきます。
艶は回数を重ねるごとに出てくる
まず最初に、どんな風に艶が出てくるのかを説明しておきますね。
今回ご紹介するやり方は、一度やっただけで一気にテカテカな艶が出るという感じではありません。
「おっ、少し光沢感が出た!」ってイメージです。
だから、艶出しに迷っている人はとりあえず一度だけやってみるってのもアリだと思います。
もしイメージが違ったと思っても、一度やったくらいなら後戻りできます(正確に言うと本来の質感には戻せませんが、まだほんのり艶が出たレベルならあまり目立たないから)。
回数を繰り返すことによって艶が増してくるので、やりながら好みの光沢感までもっていって下さいね。
光沢レベルを自分で調整できるって所が、素晴らしい♪
これ以上艶っぽくしたくないと思ったら、シュプリームクリームを使うのはそこでストップ。
それ以降は、今まで使っていたオイルドレザー用のお手入れクリームや、スプレーを使うようにすればOKです。
その後また艶感を足したくなってきたら、シュプリームクリームでお手入れして下さい。
このクリームって、革靴や革バッグ、革ジャンなど色んな革製品のお手入れに使えるんですよ。
だからもしオイルドレザーに使わなくなっても、別で使い道が出てくると思います。
それまで大切に取っておいて下さいね♪
用意するもの5つ
艶出しをするために、用意するものは以下のものです。
- コロニル「1909 シュプリームクリームデラックス」×1
- ホコリ落とし用のブラシ×1
- 仕上げ用ブラシ×1
- 布×1
- 防水スプレー(お好みで)×1
普段から靴のお手入れをしていれば、ブラシや布は既に持っていますよね。
お手入れするのが初めてで持っていないという方のために、おすすめのブラシ、布、防水スプレーをご紹介しておきます。
まず、ブラシはコロンブスの『馬毛ブラシ』
次に布は、コロニルの『ポリッシングクロス』
そして防水スプレーは、コロニルの『ウォーターストップ』
がおすすめです。
これらの製品についての詳細や、基本的な革製品のお手入れ手順はこの記事に載っていますので、ぜひ参考にして下さい。
なお、今回はオイルドレザーがクリームをすぐ吸収してしまうので、仕上げ(乾拭き)用の布は省略しました。
(本当はその手順を忘れていたことに、今気付いたのよ)
あなたにもし余力があれば、この後の手順4の前で乾拭きしてあげて下さい。
あと防水スプレーは、お好みで。
オイルドレザーはもともと水に強いのですが、履いている間に撥水効果が気になってきたようであれば使って下さい。
ちなみにスプレーをかけることによって経年変化しにくくなるので、私は雨の直前にだけ使うことが多いです。
もし使う場合は、お手入れの手順の最後にスプレーをかけて下さいね。
実際にやりながら解説していきます
長らくお待たせしました、実際にシュプリームクリームを使ってオイルドレザーに艶出ししていきましょう。
先程説明した通り、この艶出し法は1回だけだとじんわり輝く程度の仕上がりです。
なのでもう少しわかりやすくするために、私は既に2回やりました。
つまりこれからの一連の流れをやるのは、今回で3回目。
写真に写っている靴の光沢感は、この艶出し法を数回やるとこんな感じになるんだって事で、見て下さいね。
では、レッツゴー!
1.オイルドレザーの靴のホコリをブラシで払う
2.シュプリームクリームを布に取って
3.靴に塗っていきます
4.数分待ち、仕上げ用ブラシでなじませて完成
防水スプレーを使う場合は、4の後にスプレーをかけたら完成となります。
私は靴全体にシュプリームクリームを塗ったので、靴全体に艶が出る仕上がりです。
もしつま先などの部分的にだけ艶出しをしたい人は、その部分にだけクリームを塗りましょう。
そしてそれ以外の範囲は、普段のオイルドレザー用の保湿アイテムを使用してお手入れをすればOKです。
これで艶出しの全工程は終了です。
普段のお手入れと同じ流れだから、とっても簡単ですよね。
それでは、(3回)艶出しをしたオイルドレザーのロンドンの、ビフォーアフターをどうぞ。
艶出ししていない方は、今までシュプリームクリームを塗ったことはありません。
これまでオーガニックプロテクト&ケアのスプレーでお手入れしてきているので、買った当初のマットな革のままです。
こうして2つを見比べて見ると、光の反射度合いが全然違いますよね。
靴全体の印象としては、艶出ししていない方はカジュアルでしっとりした感じですが、艶出し後の方が明るくてキレイめな感じがします。
あと、傷跡も目立たなくなりました。
小傷が特に多い足の内側をアップで見てみると、
艶出ししていない方は全体的にぼんやりと白っぽくなっていて、小傷が沢山入っているんだろうなぁと思わせる印象。
革もいっぱい擦れて色褪せた感じがして、履き込んだ感がありますよね。
それに比べて、艶出しした方は革の色味が落ち着いているので、傷はあるものの量が少なく感じます。
艶出しした方が靴が引き締まって見えて、コーディネートの幅も広がりそう。
今までの写真は室内で撮影していましたが、外で見るとまたひと際輝くんですよね~これが。
私のロンドンはつま先部分の色がちょっと濃い焦げ茶色になり、自然にグラデーションのかかった色合いになりました。
全体的に見ても、やっぱり艶出しした方は清楚な感じが出ていますね。
ちょっとキレイ目なパンツスタイルに合わせても、しっくりきそうです。
そしてこの新たなオイルドレザーの雰囲気も、マットな頃に負けず劣らず素敵。
長いこと履いて私の中ではマンネリ化してきていたロンドンでしたが、この変わりように、また新鮮な気持ちになれました。
買ったばかりのごとく、歩きながら足元をチラ見してしまいます(笑)
でもこの艶感は、私の中ではまだ控えめな方。
だってビルケンシュトックの店員さんが履いていたオイルドレザーは、もっとツヤッツヤだったもの。
もしそのレベルまで輝かせたかったら、
- シュプリームクリームを使う回数を増やす
- クリームを塗る際に念入りに布で磨く(力を入れすぎで革を傷めないよう注意!)
というのが必要かと思います。
私は今までクリームをサラ~っと塗って軽く布でクルクルしていて、この光沢レベルなんです。
だからもっと念入りに磨いていたら、3回目でも更に光っていたかも知れません。
でもやる度に輝いていくオイルドレザーは、お手入れのし甲斐があっていいですよね♪
クリームの塗り過ぎには注意
今回の艶出し方法について、注意があります。
早めに強い光沢感にしたいからといって、工程を1日に何度も行うのはやめておきましょう。
結果的に塗られるクリームの量が多すぎることになり、革に良くないからです。
先程ご紹介した画像に載っていたオイルドレザーは、艶出しの工程を3回繰り返した後のものでした。
しかし3回といっても、同日内で連続してやったわけではありません。
1か月おきぐらいのペースで、お手入れの度にシュプリームクリームを使用するという流れで、今回それの3回目をやったという状況です。
通常、靴を手入れするのって1か月おきか、靴が汚れたり革が乾燥してきたなと思った時ですよね。
だから艶出しも同様に、それくらいのペースでやってあげるのが自然だと思います。
とは言え、やるなら一刻も早く輝かせたい気持ちもわかります。
その場合は、数日ずつ間隔を空けてやるようにしましょうね。
ダンスコのプロフェッショナルもやった
今回はビルケンシュトックのロンドンの、オイルドレザーの艶出しをご紹介しました。
でも実は私、他にもオイルドレザーの靴を持っているんです。
それがダンスコの『プロフェッショナル オイルド』
です。
これも今まで、ロンドンと同じスプレーでお手入れしてきました。
でも長いことマットな状態を楽しんできたので、そろそろイメチェンしたいなと思っていて。
ついでなので、同じ方法で艶出ししちゃいました!
2回艶出しを行ったビフォーアフターはこちらです。
ダンスコの革は均一な真っ黒の色味なので、写真だと変化がわかりにくいかも知れません。
艶出ししていない方は、ロンドン同様にモヤ~っと白っぽくなっています。
それに対し、左側の艶出し後の方はスッキリとした黒色をしていて、広範囲で光を反射しています。
どちらが綺麗な印象かというと、やはり艶出しした方ですよね。
外の自然光で見たら、もうちょっとわかりやすいかな~と撮影したのがこの写真。
散歩がてら思い出して撮ったので、靴の汚れがお見苦しくてすみません(汗)。
やっぱり、艶出しをした方がキレイ目な印象ですよね。
ちょっとかしこまったデニムルックにすっごく合います。
今までのマットな感じも、カジュアルなワンピースに可愛らしく使えていました。
でも艶があることで、もっと大人っぽいスタイルにもいけそうです。
ダンスコの艶出しは2回でこのような仕上がり。
でも個人的にはもっと光らせたいと思っているので、次もシュプリームクリームを使うつもりです。
まとめ
ビルケンシュトックのオイルドレザーに、艶出しをする方法をご紹介しました。
もともとマットな質感のオイルドレザーも、これでイメチェンできちゃうんですよ。
しかも特別なワックスは不要で、これからも革製品のお手入れに使えるクリームがあればOK。
普段のお手入れと同じ要領でやるだけなので、簡単でしたよね。
回数を重ねるごとに艶が出てきますが、クリームの塗り過ぎにはくれぐれも注意しましょう。
ツヤツヤになったオイルドレザーは新鮮味があって、履く楽しみも倍増♪
是非やってみて下さいね。