普段からドクターマーチンの8ホールブーツを愛用しているんですが、タン(ベロ)にちょっと不満がありまして。
履いている間に変な履き癖がついてしまったのか、歩いているうちに横にずれていってしまうんですよ。
こうなると、中に履いている靴下が変な感じで見えてしまって恰好悪い…。
しかもゴロゴロして履き心地も宜しくない。
ですので今回は、そんなタンのずれを直してみました!
お店に頼まず、自分で何とかなりましたよ~。
やり方もご紹介していきますので、タンのずれに困っている方は参考にしてみて下さいね。
ドクターマーチンのタンがずれる理由
まず、ドクターマーチンのタンがずれる理由って、私が思うに主にこの4つではないかと。
順番にお話ししていきますね。
履いた時に寄ったしわのせい
靴を履く時って、タンを指で引っ張って真っ直ぐな状態にしつつ、足を靴の中に入れていくのが理想のやり方。
でも急いでいたり、面倒だったりすると、適当に足を靴に滑り込ませたまま出発しちゃうんですよねぇ。
そうすると、気付かないうちに靴の中でタンにしわが寄っていることも。
そしてそのまま歩くことによってタンがぎゅっと押し付けられ、その時寄ったしわは見事にプレスされてしまうんです。
一度ついたしわはなかなか取れません。
そのしわ部分からタンが曲がったようになるため、靴の中央に綺麗にセッティングされなくなっちゃうという訳です。
歩き方の癖によるもの
歩き方って人によってかなり違いがありますよね。
しかも、左右の足でも癖が異なっていたりして。
私は、歩く時に重心を真っすぐ前に移動させられず、若干外側に体重をかけてしまう癖があります。
そうすると、タンも1歩ごとに外側に流される力がかかっていることに。
毎度毎度それをやられたら、いくらタンだって我慢の限界に達します。
だから、私のタンは外側を向いて靴の中にいらっしゃる。
という訳で、『タンがずれていく方向』と『自身の歩き方の癖』を一度照らし合わせてみて下さい。
もしもそれが原因なら、今日から美しい歩き方を心がけましょう!
靴紐の結び方が緩い
特にブーツタイプに多いのが、この結び方の問題。
靴紐の締め方が緩いと、タンが靴の中で動ける空間が生まれてしまいます。
その結果、歩いている振動や足首の動きによって、タンがずれてしまうんです。
面倒でも、履く度に足にフィットするよう靴紐を結び直すのがベストですよ。
脱ぎ履きが楽なように、つい緩めにしちゃいがちなんですけどね(苦笑)
縫製の段階で曲がっていた
これは個体差があると思うのですが、「〇クターマーチンは、そもそも縫製があまり丁寧になされていない」という意見も時々耳に入ってきます。
つまり、ドクターマーチンで縫製された段階で、既に若干のずれが生じているということですね。
その靴を履けば、もちろんタンがずれていくのは当たり前。
でも、タンの部分って靴の内側にあるので、買う前に素人が見て縫製の良し悪しを判断するのって難しいですよね。
なので、もしも買ったドクターマーチンの靴のタンがどうしてもずれる場合、自分で何とかしちゃいましょう!!
私の対処法は自分で縫い付けること
ずれる癖がついてしまったタンは、押しても引いてもなかなか綺麗に直すことができません。
そのため、私はタンを縫い付けて固定することで、ずれを解消しました。
このあと、具体的なやり方をご紹介していきますね。
縫い付け法のメリットとデメリット
まず、タンを縫い付けるという方法は、メリットもデメリットもありますので確認しておいて下さい。
デメリットはこちら。
- お手入れする際に、タンの隅々まで手が届かなくなる
- 正規店でアフターケアを受けることが出来なくなる可能性がある
でも、お手入れは糸を切って除去すればいつも通りにできます。
お手入れが終わったらまた縫い付ければ大丈夫。
正規店でのアフターケア(主に修理)ですが、靴を加工したとみなされるとケアを受けられないかも知れません。
その場合は、街の靴修理店でも十分相談にのってもらえるので、そちらを頼ることにしましょう。
そしてメリットはこちら。
- 履く度にタンを力強くひっぱって伸ばさなくて良い
- 歩いている途中に気が散らない
私が縫い付けて良かったと思っている点は、やっぱり履く時の楽さです。
今まではタンを引っ張りながら足を突っ込んで、奥まで入ったらまたタンを引っ張ってグリグリ…みたいなお見苦しい恰好でした。
それがタンが固定されたことにより、足を突っ込むことにだけ集中すれば良くなったのです。
履くのにかかる時間も短縮されて、同伴者を待たせる気まずさも無くなりました。
歩いていてずれてくることが無いのも、とっても快適です!
では、お待たせしました、縫い付けの方法をご紹介していきます!
お裁縫セットでチクチクしましょう
それでは、ドクターマーチンのタンを縫い付けていきましょう。
今回は私の8ホールブーツの、タンの縫い付け写真と共にご紹介していきます。
3ホールの靴の場合も、原理は一緒なので参考にしてみて下さいね。
必要な物は以下のものです。
- 糸(手縫い用、ミシン用どちらでもOK)
- 針
- 糸切りばさみ
- あればピンクッション(針を刺すフワフワのやつのこと)
私は、小学校で授業用に買ったお裁縫セットを未だ愛用中。
糸は手縫い用のものを使っています。
今回はミシン用の糸でも大丈夫ですよ。
ミシン用の糸は、標準の太さだと手縫い用のものより細いんですが、それでも大丈夫です!
私は持っているドクターマーチンの靴色と合わせて、糸の色を茶色にしました。
もし裁縫セットを持っていない場合は、通販でも買えるのでご安心を。
ちなみに私は糸を針に通すのが下手なので、糸通しは必須です。
写真には写さずコッソリ使用。
また、靴の革は厚めなので、指ぬきがあった方が楽かも知れません。
そんなこんなで考えていくと、ひと通りしっかり揃っているソーイングセットがおすすめです↓
今回はタンを、靴紐を通す穴を利用して固定します。
糸の色は、革と似た色を選んでも良いし、わざと別の色にしてアクセントになるようなお洒落な感じにしてもOK。
私はチェリーレッドのブーツに先程の糸を使っていますが、色味としてはこんな感じになってます(指の先に見えている明るい茶色のものが糸)↓
これは指でわざと靴紐を上に持ち上げているのでよく見えてますが、実際には靴紐が上から被さってあまり目立たなくなります。
なので糸の色は深く悩まずにサクッと決めましょう!
用具が揃ったら、いよいよ縫い始めます。
縫い付け方をご紹介
では、ドクターマーチンにチクチクっといきますよ~!
完成したものはこんな感じになります。
外側(紐の結び方が適当でごめんなさい)
内側
私のドクターマーチンはサイドジップ式なので、タンをがっつり縫い付けてあります。
定番の型で靴紐をほどいて着脱するタイプのマーチンの場合、タンは
- (タンの)左右のどちらか片側だけ縫い付ける
- 3~4ホールあたりの、着脱に支障のない箇所で縫い付ける
といったやり方でも良いですね。
この縫い付け法、外側から見ると何も変化がわかりません。
そうです、この方法は見た目には影響しないんです!
タンが靴の中に、ぺローンって落ち込んでいないのだけ確認してもらえたらOKです。
では、お待ちかねの縫い付け方をご紹介していきます。
【紐は外さずに縫うこと】
普段履いている状態の締め付け感がわからなくなってしまうので、靴紐はできる限り結んだままで!
1.タンを引っ張り上げ、縫い付ける位置の確認
8や10ホールブーツの場合、一番上の穴とタンを縫い付けると、履く時に足が入らなくなる恐れがありますので注意。
8ホールの場合、おすすめの縫い付け位置は、下から6つ目か7つ目の穴とタンです。
下部のホール位置で縫い付ける場合は、お好みの位置でいきましょう。
私は右足→下から6つ目、左足→下から7つ目で固定しました。
なぜ左右で違うかというと…
私は歩行時に左右の足の出し方が違うのか、それぞれタンの癖の付き方が違っていたんですよね。
だから、それぞれ快適な感じになるように穴を決めました。
3ホールの場合は、真ん中の穴か、もしくは一番上なら緩めに縫い付ければ脱ぎ履きも問題ないと思います。
ご自身の左右のタンの状態や履きやすさを考えて、決めて下さいね。
2.決めたら、内側から針を入れていきます
3.針をグサッと…
4.タンを貫通させます(指ぬき使用でもOK)
5.針を、縫い付けたい穴を通して外側へ出す
穴から針を出す際、一緒に靴紐まで縫ってしまわないように注意して下さい。
6.ぐるっとして内側から先程と同じ穴に、針の先を入れる
7.外側に針が出てきて、これで穴に糸が2回通りました
8.糸のたるみ取り。靴前方に軽く引っ張った後、左右に振って糸を引き締めます。
9.いよいよ大詰め!タンに針を入れていきます!
最初に糸を出した位置の近くにしましょう。
10.針が貫通したところ
11.靴の内側に糸をピンと引っ張りましょう
さて、ここからは糸を結んで留めるという手順になります。
裁縫の最後によくやる「玉結び」をしても良いんですが、私は狭い靴の内側でうまく指と針が動かせなかったため、玉結びを諦めました…。
で、普通に紐に結び目を作るやり方で行っています。
わからない方は、次の写真を参考にして下さい。
(でも画像で説明しようとしたら、余計にわかりにくくなった感が…スミマセン!)
12.結び目を作っていく
針の先端を、作った輪っかに通すようにして、結び目を作っていきます。
写真上では、タン近くのオレンジの右向き矢印からスタートして、後半の赤い矢印に続いていくという順番です。
糸の上側を通る際は黄緑色、糸の下をくぐる際は濃い緑色で表してみました。
写真はわかりにくすぎるので、ご自身の感覚を信じてやってみて(苦笑)
針をつけたままで結び目を作ったら、固く結ばずに輪っかを維持しておいて下さいね。
13.結び目を移動させる
ゆるいままの輪っかを左手で持って、タンのほうに手繰り寄せるイメージで動かしつつ、針先のほうの糸を右手でちょこちょこと矢印の方向に引っ張っていきます。
すると結び目がタン方向に寄りながら小さくなっていき、結び目らしくなってきます。
タンにできるかぎり密着した結び目ができたら、左手は結び目を押さえたままで、右手側の糸をぎゅっと引っ張って結び目をしっかり固く、小さくします。
これで裁縫は完了。
14.余った糸を切る
お疲れ様でした、完成です!
この流れをタンの両端に行い、両足分やると先程お見せした完成写真のようになります↓
前から見るとこんな感じ。
靴紐を引っ張って下げると見えますが
手を離すと糸はほぼ見えなくなります
靴の内側は狭いので、手を突っ込んでの作業は集中力を使います。
イライラせず、ゆっくりやりましょう。
それに、1つ目が少しぐらい変になってもめげずに。
2つ目、3つ目と徐々に上手くなります(笑)
どうしても気に入らない場合は、糸をチョキンと切っちゃえばまたやり直せます。
失敗を恐れずにいきましょー!
まとめ
ドクターマーチンのタンがずれる問題について、自分で解決する方法をご紹介しました。
自分で家にいながらサクッとできちゃうので、是非やってみて下さいね。
靴の修理店に頼むよりも、費用もかなり安く抑えられます。
そして何よりも、履く度に快適なタンの居場所を探してあげる手間と時間が減るのがすっごく楽です!
自分の納得できるタン位置にキマッた靴は、ますます愛着が湧きますよ~♪