ここ数年で、洋服店に行くとエコレザーという革製品を見かけるようになりました。
合皮でも本革でもない、エコレザー。
どんな違いや良さがあるのか、気になりますよね。
それに名前に『エコ』とついているからには、環境にも優しいんですよ。
今回はエコレザーについて、素材やエコな点、その他にも普段の取り扱いについてなど詳しくご紹介していきます。
これを読んで、エコレザーの正体を突き止めましょう!
エコレザーの正体とは
まずはエコレザーって、何の素材から出来ているのかということをお話しします。
エコレザーの正体が判明すると、何が『エコ』なのかもわかってきますよ。
素材は本革が使われている
ネット上で飛び交う情報の中には「エコレザーは合皮です」とか「エコレザーは動物の皮を使っていません」といった説明もあるようです。
でもそれは間違いです。
エコレザーはずばり、本革から出来ているんですよ。
本革とエコレザーの違いは以下の通りです。
- 本革⇒動物からとれた1枚の皮から、必要な大きさの分を切り出して革製品に加工
- エコレザー⇒本革の『切れ端』を再利用して革を作り、それを革製品に加工
では、エコレザーに使われる切れ端とはどういうものなのか、エコと言われている点もふまえて詳しく説明していきますね。
エコな点は主に製造工程での配慮
皮から革へ加工する中での『なめし』工程では、革を整えるために切れ端が出るんです。
その切れ端を細かくして、ラテックスなどの天然素材や樹脂と混ぜたものがエコレザーの元になっています。
原料を無駄にしないという点でエコなのね。
また、製造工程においても環境や人に優しいことが必須です。
加工に使う物質は身体に有害な影響を及ぼすものが含まれていないか、工場の廃棄物の処理や排水の管理がきちんとしているかなどの基準が設けられています。
その他にも、見た目が一般の革製品と比べて劣りすぎていないかなどのチェック項目がある場合も。
そうした基準をクリアして作られた革だけが、正式なエコレザーと名乗れることになります。
基準を満たすかどうかのチェックをして、エコレザーの認定を行っている機関はいくつかあるんですよ。
細かい基準差はあるものの、多くの認定機関が共通して掲げているエコレザーの『エコ』な点というのは、
- 廃棄する材料を少なく抑える
- 製造中に使うものや処理で出るものが、人や環境に優しいものであること
ということなんです。
エコレザーの特徴
素材やエコな点についてわかったところで、次はエコレザーの特徴を見ていきましょう。
見た目は様々だが軽いものが多い
エコレザーの見た目はフェイクレザーとほぼ変わりません。
といっても、本革・フェイクレザー・エコレザーの見分けは年々つきにくくなってきています。
ぱっと見でエコレザーだとわかるのは、革に相当詳しい人だけでしょう。
色やなめらかさ、光沢感などは混ぜる原料や加工によって自由に変えられるので、様々な質感のエコレザーが販売されています。
しかし見た目の面ではずば抜けた違いはありませんが、重さの面では本革100%に比べたら断然軽いです。
そこは合皮と共通するものがありますね。
寿命は原料によって違う
エコレザーの寿命については、本革の切れ端と混ぜられている原料によって異なります。
混ざっているのが合皮に使われているような加水分解を起こす原料(ポリウレタン樹脂など)であれば、数年で劣化が始まってその後使えなくなってしまいます。
ポリウレタン樹脂やウレタンゴムなどの素材が、空気中の水分によって分解されていき、劣化する現象。
表面が割れる、剥がれてくる、ベタベタになるなどの変化が生じる。
ただ、劣化の速度は混ぜられている原料の割合にもよりますし、加水分解しにくい原料であればもっと劣化は遅くなります。
ただ合皮と比べると、素材の中に本革が入っている分、加水分解を起こす原料の割合が低いので、劣化する速度は合皮よりも遅いものが多いようです。
合皮よりもちょっと長持ちだけど、本革の寿命には勝てないのね。
お手入れ方法は本革と同じ
エコレザーは本革と似た性質を持っているので、取り扱いは本革と同様で平気です。
だから普段の保湿などのお手入れの方法も、本革に行うのと同じようにすればOK。
ただ、混ぜられている樹脂などの原料によっては、使うクリームの成分に反応する場合もないとは言い切れません。
エコレザーの購入時に、お店にお手入れ方法も一緒に確認しておくと安心ですよ。
カビや汚れた時の対処法、水気に気を付けるなどの注意点も基本的には本革と一緒です。
基本的には本革と同じと考えると、難しいことはないですね。
まとめ
エコレザーの素材やエコな点、寿命などについてお話ししました。
本革と見た目がそこまで変わらないのに、細かくなった本革が入っているんだと思うと、ちょっと不思議な感じもしますね。
人や環境に優しい配慮のされたエコレザーは、エコが推進されている現代に沿った革だと言えます。
お手入れや普段の取り扱いは本革と同じで大丈夫なので、気負わずに日常生活に取り入れられますよ。
合皮や本革と違う存在に思えて取っ付きにくいと感じていたあなたも、安心してチャレンジしてみてくださいね♪