革好きにとって楽しみなのが、自分の革製品をエイジングさせることです。
エイジングによって変化してきた革を眺めるのは、至福の一時ですよね。
でもそのエイジング、もしかしたら他人から「汚い」と思われているかも?
実は私も、学生時代に使っていた手帳カバーは今見るととーっても残念なエイジングをしています。
革の知識がないまま雰囲気の好みだけで買って、そこからお手入れを一切しなかったので決して綺麗とは言えない状態になってしまいました。
あなたも自慢の革製品が、周囲から残念に思われていたら悲しいですよね。
そんなことにならないように、綺麗なエイジングとそうじゃないエイジングについて、詳しく知っておきましょう。
革のエイジングが汚い状態とは
自分が愛用している革製品は、見慣れていることもあって汚いと感じることは少ないかも知れません。
じゃあ周囲から見て「汚らしい」と思われるのは、どんな状態のエイジングなのでしょう。
私の手帳カバーも参考にお見せしながら、具体的に解説していきますよ。
うーむ、こりゃなかなかの・・・。
お手入れが原因:見た目が悪い
まずは、お手入れが原因となっている汚いエイジング状態3つです。
普段の革のお手入れが間違っている、もしくは不足している際に起こる状態です。
カサカサに乾いている
革はお手入れをしていないと乾燥してきます。
表面に細かいひび割れのようなものが発生してきたら要注意。
また、財布の端っこやカバンの底面の四隅など、乾燥して色が薄くなっている状態もNGです。
これらを発見したら、ただちに保湿クリームでお手入れをして下さい。
そのままではどんどん革の状態が悪化していってしまいますので、気を付けて下さい。
傷が目立ちすぎる
革は使っていれば傷付くのは仕方がないことです。
でも、保湿などのお手入れをすることによって少し目立たなくなって周りの革と馴染むんです。
それがお手入れもあまりされずに放っておかれた革は、傷だらけの痛々しい印象に。
周囲から見たら、普段から扱いが乱暴な人なのかも知れないと思われそうです。
エイジング状態の差がありすぎる
1つの革製品の中で色合いの差がありすぎるのはあまり綺麗ではないと思われがち。
よく日に当たる部分や折り曲げて動かす箇所、手で触れる箇所はエイジングが進みやすいです。
それと比べて、普段内側になるような箇所やあまり伸び縮みしない箇所はゆっくりエイジングしていきます。
この2つエイジングの差は、全くお手入れをしないとこのように露骨に現れます。
1つの革製品とは思えないほど、一貫性のない見た目(汗)
これが綺麗かというと、あんまり綺麗じゃないですよね。
こんなちぐはぐにならないためには、保湿などのお手入れをすれば大丈夫です。
箇所によって質感に差が出るのは当たり前ですが、こんなに顕著な差を感じる具合にはなりません。
汚れが原因:清潔感がない
お次は汚れが原因となっている汚いエイジング状態2つです。
これは適切な汚れ落としを行っていない場合に起こります。
部分的に汚れがある
あなたの革製品の外側をぐるっと一周、眺めてみましょう。
- 隣り合わせに置いていた物の印字がくっついてしまった
- 裏面に正体不明の黒い汚れがついていた
などの、ただ指でこすっただけでは取れない汚れが付いてしまっていませんか?
見つけた当時はショックだったんだけど、もう見慣れて何とも思わなくなったんだよね~。
というように、そのままにしがち。
でもそんな汚れが増えていくと、見た目が汚らしい印象になってしまいます。
後半で汚れ落としのお手入れについてお話ししますが、定期的にお手入れをしましょう。
手垢で変色している
次はエイジングで変色して色濃くなったと思っている箇所が、実は手垢汚れで変色しているだけという状態です。
カバンの取っ手など、よく手が触れる箇所だけが他の革部分と比べて黒ずんでいませんか。
それは手垢による汚れですよ~!
色が変わってエイジングしてきたと喜びたいところですが、冷静に確認しましょう。
こちらも後半の汚れ落としの項目を参考にして、お手入れしてあげることで綺麗になりますよ。
使い方が原因:変形している
最後は使い方が原因となっている汚いエイジング状態で、『変形している』というもの。
エイジングしてきて革が柔らかくなってくると同時に、なんだか一部分だけ革が伸びすぎてボコッと膨らんでいませんか。
革財布の小銭入れに硬貨を沢山入れている人は、小銭入れ部分の革が伸びてきてしまいます。
伸びてからは戻せないので、小銭が少ない状態でも革がボコッと飛び出た状態に・・・。
なるべく小銭をお財布に貯めないよう、上手にやりくりするのが理想です。
また、お尻のポケットにいつも革財布やキーケース入れている人は要注意。
体内から出てくる汗や湿気を革が吸ってしまうんです。
湿った状態でポケット内の圧力がかかると、徐々にお尻のカーブに合わせて曲がり、変形していってしまいます。
一度変形すると、元の形に戻すのは難しいよ。
革製品を持ち運ぶ際は、お尻のポケットは避けてカバンに入れるなどして下さい。
素敵だと思われるエイジングの特徴は
じゃあ好印象を与えるエイジングってどんなものなの?って思いますよね。
多くの人が素敵だなと思うエイジングの特徴は、以下の通りです。
全体の色に深みがある
引用元:https://www.herz-bag.jp/material/aging/
エイジングしてくると、革の色が徐々に濃い色合いに変化してきます。
例えば薄いベージュ色だったものが、濃い茶色に。
また、ブルーだったお財布はネイビーっぽい色合いに変わります。
ただ汚れて黒さが増したというのとは違って、なんとも言えない味わい深い色味になるんです。
これが製品全体でなるべく均等に変化している方が、より素敵だという印象を与えます。
全体が深みのある色合いにエイジングした革製品は、品があると褒められることが多いですよ♪
ツヤツヤで光沢がある
エイジングして革の表面にツヤが出て、光沢感が増してきたものも魅力的だと思われますよ。
綺麗なツヤの革製品は、うっとりするような美しさがあります。
最初はマットな質感だった革の表面も、次第になめらかにつやっぽくなっていきますよ。
髪の毛もそうですが、つややかな物って綺麗で魅力的だと感じますよね。
しっとりしている
そしてエイジングによりしっとり感が増した革も、またこなれ感が出て素敵です。
買ったばかりのゴロンとした無機質な革製品から、徐々にしんなりしてメリハリのあるシルエットに変化してくるんですよね。
触った感じも、手に革が吸い付くような触感になります。
それは湿っているとか、汗ばんでべたつきのあるしっとりとは違います。
革の表面がなめらかになり、適度な油分を含んでくることによるしっとり感です。
これは使い続けていかないと出せないものなんですよね~。
これら3つの特徴を実現させるには、きちんとお手入れをすることが必要不可欠です。
革を素敵にエイジングさせるためには、愛情を込めて革と向き合うことが大切ですよ♪
ちなみに、私もいくつかの革バッグをエイジングさせている途中で、時々報告しています。
汚れ落としで綺麗にエイジングさせよう
素敵なエイジングのために、お手入れをちょっとだけ見直してみましょう。
もちろん保湿クリームを使った基本的な革のお手入れは必須です。
でも年に1度くらいは『汚れ落とし』のお手入れを行うのがオススメなんです。
お手入れは汚れの程度によって方法が異なりますので、詳しく説明していきますね!
軽い汚れは通常のお手入れでOK
軽い汚れは保湿クリームを塗るだけで大丈夫です。
クリームを塗っている時に、布に汚れが一緒について取れてきます。
これだけで取れる汚れであれば、普段の保湿のお手入れと同じ手順を行えば大丈夫ですよ。
私がお手入れに愛用しているのは、こちらのシュプリームクリームです↓
柔らかくて伸びが良いクリームなので、とっても使いやすいですよ。
狭い範囲の汚れは消しゴムで
狭い範囲や、保湿クリームだけでは取れないちょっとした汚れは消しゴムを使いましょう。
このような革用の消しゴムというものがあるんです。
方法は、文字を消す時の消しゴムと同様に、汚れた箇所をこするだけです。
あまり強くこすりすぎると、革の色まで落ちてしまうことがあるので気を付けましょう。
ちなみに、スニーカーの底面のゴムソールの汚れ落としにも愛用している人が多いとか。
黒ずんだガンコな汚れはサドルソープで
消しゴムでは取るのが難しそうな広範囲の汚れや、ガンコな汚れは石鹸でお手入れしましょう。
このサドルソープという、革用の石鹸を使います。
お財布や小物だけでなく、革靴の丸洗いやレザーソファのお手入れに使うこともできる優れものなんです。
使い方は、歯ブラシなどの小さめで柔らかいブラシに石鹸をつけ、革の上でクルクルと泡立てていきます。
そうすると泡が黒くなって汚れが取れてくるので、布で拭き取って乾かします。
その後は、通常の保湿のお手入れを行ったら完了です。
こんなふうに、汚れの程度に合わせて年に1度は『汚れ』に対するお手入れをしましょう。
そうすれば余計な黒ずみを取り払って、革のエイジングが綺麗に楽しめますよ。
エイジングは触らなくても進行するもの
エイジングって、手の油分で起こる現象でしょ。
ベタベタ触られて、薄汚れた革ってことだよね?
思っているほど汚くないですよ。
エイジングするのには、他にも要因があるんです。
エイジングしているってことは持ち主が沢山触ったからで、手垢やら手汗やらが付いていそうで汚い・・・。
そんな声を時々聞くのですが、エイジングってベタベタ触らなくても起こるものなんですよ。
革のエイジングが起こる仕組みは、人的なものと自然的なものの両方があるんです。
【人的なもの】
使っていくうちに付く手垢や手の脂、こすれた摩擦などによって起こる
【自然的なもの】
紫外線や空気に触れていく中で革が変化(エイジング)する
極端な話、自宅にずっとしまいっぱなしでも、徐々にエイジングしていきます。
だから、エイジングしているからといって触られまくった革だとは限りません。
それに月1くらいでクリームを塗ってお手入れをしますが、日常使いでついた汚れはそこで結構落ちていきます。
だからエイジングした革は思っているほど汚らしい状態じゃないってことを、わかって頂けたら嬉しいです。
まとめ
革のエイジングで汚いと思われる状態がどういったものか、ご紹介しました。
普段からきちんとお手入れをして、丁寧に扱っていればそこまで汚いエイジングにはなりませんので、安心して下さいね。
周囲から素敵だなと思われるような状態を目指して、革ライフを楽しみましょう♪
話の中で登場させた私の手帳は、今までちっともお手入れしてこなかったんです。
今回写真を撮りながら改めて、ひどい状態にしてしまったなぁと反省しました。
だからこの後、お手入れすることに決めました。
大きな汚れは無さそうなので、ひとまず保湿クリームから。
あなたもお手入れが久しぶりだったら、ぜひご一緒に!