メイドインジャパンの製品は、世界中で認められる質の高さを誇っていますよね。
革も同様に、日本で作られた物は海外でも人気があるんです。
あなたは外国人から、日本の革の産地で有名な場所はどこかと聞かれたら、すんなり答えられますか?
皮革(ひかく)業界の人以外で革の生産地まで詳しい人は少ないかも知れませんが、革好きなら知っていて損はしませんよ。
革製品を大切な人に贈る時にも、産地までこだわって選んだら感動されちゃうかも!
今回は日本の皮革生産地として有名な3つの都県に加え、革産業が盛んな全国の地域も全てご紹介していきます。
ではでは、日本各地の革をご堪能下さいませ♪
日本の皮革生産地で有名な3都県
日本の皮革の産地で有名なのは、東京都、兵庫県、和歌山県の3ヶ所です。
順番に見ていきましょう。
東京都の下町エリア:国産の豚革が有名
東日本の皮革産地として有名なのは、東京都の墨田区と台東区を中心とする下町エリア。
隅田川や荒川という大きな川があるため水が豊富に使え、革の加工に向いている土地柄です。
牛革の生産量は、日本で第2位。
さらに墨田(すみだ)区には、豚革を専門に取り扱う工場が集まっており、『メイドイン東京』の豚革が生産されているんです。
なぜメイドイン東京と言えるのかというと、国産の豚の皮を使って革製品の状態まで仕上げているから。
ほとんどの動物の皮は、海外から輸入して日本で加工するという流れを取っているんですよ。
また墨田区周辺には、豚革以外にも爬虫類をはじめとするエキゾチックレザーの工場も多くあります。
東京の下町には卸問屋(おろしどんや)街も多くあって、革を作るところから販売するまでの一連の流がこの地域で行われているんです。
特に墨田区の隣にある台東(たいとう)区の、浅草という地域では昔から革の取引が行われていたそう。
具体的な革製品としてはベルトや靴、バッグなどです。
現代でも浅草は、革製品の買い物客のみならず、レザークラフトを行う若者が良い革を求めて多く訪れる街となっています。
浅草駅から少し歩きますが「皮革産業資料館」もありますよ。
革好きの間では、密かな人気スポットなんですって。
皮革産業資料館には歴史ある革製品はもちろん、その他野球選手の長嶋茂雄さんのスパイクシューズや、ボクシング選手の具志堅用高さんのグローブなども展示されているそうです。
東京の下町で革散策をしたら、丸1日楽しめそうですね♪
兵庫県:盛んな地域は南と北にある
兵庫県の皮革生産地は大きく南北に分かれています。
南側は姫路市とたつの市、北側は豊岡市になりますよ。
姫路市・たつの市⇒革の生産量No.1
兵庫県の南側にある『姫路市』『たつの市』の2つの市から生産される革の量は、日本で最も多いんですよ。
牛革は生産量が2位である東京に比べ、3倍近くもの量を生産して大きく差をつけています。
革を扱う工場数はなんと200以上もあり、皮革業界で有名なタンナー(なめし職人)も多く在籍している地域です。
生産されている製品はカバンや靴、家具などの一般的なものから機械のパーツに使われるような工業向けの革まで幅広くあります。
革を加工する際、仕上がりの良さを左右する大きな要因の1つは水の良さ。
姫路市とたつの市には綺麗で豊富な量の水が流れている川が多くあるため、革の生産が盛んで良い革が作れるんです。
豊岡市⇒カバンの取引が盛ん
県の南側にある姫路市やたつの市とは反対の、北側に位置する豊岡市でも皮革産業が盛んです。
豊岡市ではカバンが有名で、昔から革製を中心とした様々なカバンの卸し売りやメーカーが集まっているんですよ。
なんと1,000年以上も続いている伝統文化で、国産のカバンの7割が豊岡市で生産されているんです。
豊岡駅には「カバンストリート」という、約200mの道にカバン店がずらっと並ぶエリアがあって観光地にもなっています。
他ではお目にかかれないであろう「カバンの自動販売機」もあるので、革カバン好きなら一度は訪れて欲しい名所です。
和歌山県:高品質な加工革を生産
和歌山県では昔、軍隊用の靴を生産していたために皮革産業が盛んでした。
現代では需要に合わせて専門的な革を扱う生産地として有名です。
専門的な革、というのは革に施す様々な加工のことを指します。
床革やヒツジ革、ヌメ革、そしてエナメル革は和歌山産のものが最も高く評価されているんですよ。
最近では地元のブランド革として「きのくにレザー」も登場し、ますます盛り上がってきている皮革生産地です。
きのくにレザーは兵庫県内で製造・加工され、摩擦や色落ちなどの厳しい基準に合格した革なんですよ!
これらが日本で有名な革の生産地と呼ばれる場所ですが、後半はその他の革の扱いが盛んな地域をご紹介していきますよ。
全国の皮革産業が盛んな地域
日本国内で革を扱っている地域は、先ほどの生産地だけじゃありません。
全国にはまだまだ革の産業が盛んな場所があるんですよ。
日本の北から南まで、地方ごとに順番に紹介していきます。
北海道:毛皮やエゾシカ革の製品
引用元:https://www.hokkaido-kaban.jp/lp/
北海道では動物の皮だけでなく、なんと昔は鮭(さけ)の皮も靴などの日用品に使われていたそう。
現在の革産業としては、豊かな自然なこともあり、ミンクやキツネの毛皮・エゾシカ革を使ったものが盛んです。
北海道産のエゾシカ革の製品が欲しかったら、北海道のお店をチェックしてみましょう。
中部地方:シカ革の伝統工芸品
引用元:https://www.inden-ya.co.jp/products/wallets/no-1012-2/
日本で最も古くからある革はシカ革なんです。
シカ革といえば、中部地方に位置する山梨県の甲州市。
ここでは、シカ革に模様をつけて漆を塗ったものが「甲州印伝(こうしゅういんでん)」として伝統工芸品で有名です。
昔は煙でいぶした革を使ったりと、製法は時代によって若干異なります。
その他にもシカ革は武士の甲冑(かっちゅう)に使われたり、足袋や巾着袋にしたりして愛され続けてきました。
現在では主に、バッグなどの製品に使われています。
甲州印伝の模様は、綺麗な光沢の漆でつけられていてとーっても上品♪
山陰・山陽地方:エイ革を日本刀に使用
引用元:https://www.seiyudo.com/2147.htm
山陽・山陰地方は日本刀の産地として有名です。
その日本刀の柄と鞘(さや)に、エイ革が装飾として使われているんですよ。
使われる革は、主にインド洋や南シナ海で獲れたエイになります。
硬くてキラキラと品のある輝きを持つエイ革は、日本刀にぴったり。
大抵の柄の部分は糸が巻かれていますが、その間から内側のエイ革が見られますよ。
四国地方:革手袋の9割を生産
引用元:http://ohara-glove.com/yashima-kobo-ordermadepack.html
四国地方では、香川県の東かがわ市で皮革産業が盛んです。
東かがわ市は革手袋の産地。
日本で生産される革手袋のなんと9割が、ここで作られています。
ファッションとしての手袋だけでなく、ゴルフや野球などのスポーツで使用するグローブも多く生産しているんです。
土地の気候が温暖であり雨が少ないという点、そして川が多いので綺麗な水が使えるという革の加工に向いた環境なんですよ。
九州地方:馬の産地
九州地方で皮革産業が盛んなのは、熊本県です。
今までは革の加工・製品の話が中心でしたが、ここでは革の産地として皮革産業が盛んなんです。
熊本県では革製品を作るための元となる馬を飼育しています。
温暖な気候で大切に育てられた馬からとれる革は質が高く、高級な革として製品化されます。
馬革といえば、高級ランドセルや財布に使われるコードバンが有名ですよね。
まとめ
日本全国の革の生産地をご紹介しました。
国内の皮革産業は各地で盛んなことがわかったと思います。
観光地の候補として挙げるなら、東京の下町エリアや、兵庫県のカバンストリートを歩いてみるのが楽しそうですよね。
カバンの自動販売機が気になるので、次の旅行先は兵庫県の豊岡市にしようかしら。
その他にも各地に有名な革がありましたね。
趣味で野球をしている家族には、こんど香川県産のグローブをプレゼントしようと思います。
あなたも各地の革の生産地に行ってみたり、興味のある生産地の革製品を手にしてみたりして楽しんで下さいね!