ヴィーガンレザーとは?色んな物から出来る未来の革あれこれ

ヴィーガンレザーとは コラム
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革業界で最近話題になっている「ヴィーガンレザー」という革。

どんな革なのか知っていますか?

ヴィーガンという単語から、動物の皮を使用していない革だとイメージしている人もいるかも知れませんね。

その考え方は正解です!

でもそれだと、動物じゃない繊維素材や樹脂から作られている合皮や人工皮革との同じじゃないかと疑問が湧きますよね。

なんとヴィーガンレザーは、意外な植物達からも作られているんです。

今回はそんなヴィーガンレザーについてのあれこれを詳しく解説していきます。

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ヴィーガンレザーとは何なのか

ヴィーガンレザーとは簡単に言うと、動物の皮を使っていない革のこと。

そして、動物の皮に抵抗が無い人からヴィーガンの人まで幅広く使える革だということを最初にお伝えしておきます。

みんなが使えるけど『ヴィーガンの人も安心して使える』というわけです。

ヴィーガンレザーはヴィーガン、つまり「完全採食主義者」の考えに基づいて作られている革なんですよ。

【ヴィーガン=完全採食主義者(かんぜんさいしょくしゅぎしゃ)とは】

植物性の食品を中心に食べるベジタリアンの一種で、最も食べるものに厳しい制限をしているタイプの人達のことを指す。
とにかく『動物を使わない』という考え方で、動物に関連する食べ物は一切食べない。
魚や肉だけでなく、乳製品や卵・ハチミツや砂糖も口にせず、徹底した食生活を送っている。
※砂糖はサトウキビから作られるが、製造過程で動物の骨が使用されるからNGとされている。

ヴィーガンの中でも動物に関する物との関わり方は段階があります。

食べる物だけに制限しているタイプのヴィーガンの人もいれば、身の回りに動物の物を使わないといった所まで配慮している人も。

後者の場合、毛皮や革などの動物から作られている製品も使わないというわけなんです。

そのようなヴィーガンの人でも革製品が使えるように、と考慮して作られたのがヴィーガンレザーなんですよ。

だからヴィーガンレザーは動物じゃない素材からできている革、ということになります。

有名ブランドでもヴィーガンレザーは多く採用されており、リュックやトートバッグ、ジャケット、ベルト、手帳カバー、腕時計のストラップなど色んな製品に使われていますよ。

アディダスのスタンスミスというスニーカーも、ヴィーガンレザーを使用していることで有名ですね。

ちなみに私がヴィーガンレザーを初めて知ったのは、ドクターマーチンのお店で売られていたヴィーガンレザーのチェルシーブーツでした。

まる子
まる子

ヴィーガンレザーはあなたの身近にもあるかも!

使われている素材の種類が多い

ヴィーガンレザーは、使われている素材の種類が以下のようにとても幅広いんです。

  1. 合皮や人工皮革と同じ、ポリウレタンなどの繊維素材
  2. 再生ポリエステルや再生ナイロンといった、環境に配慮された再生利用の素材
  3. 植物由来の天然素材

ポリウレタンなどの繊維素材から作られている場合は、合皮や人工皮革と同じ革製品ということになります。

動物に関わらずに作られている革、という意味でこれをヴィーガンレザーと位置付けるメーカーもあるからです。

今までと違った革を求めてヴィーガンレザーと名前のついた製品を選んだのに、よく見たら合皮や人工皮革と同じ素材だったということも。

買う前にはどんな素材で作られているのか、予めチェックしておいた方が良いでしょう。

私が最も面白いなと思っているのは、3つ目の植物を原料とした天然素材で作られていることがあること。

どんな植物が使われているのかは、このあと詳しくお話ししますね。

また、メーカーによっては「ベジタリアンレザー」という名前で販売していることもありますので混乱しないように。

まる子
まる子

一口にヴィーガンレザーといっても、範囲が広いな~。

意外なものから出来ている革もある

ヴィーガンレザーのニュースで私が衝撃的だったのは、サボテンからも革が作れた!というもの。

作り方は、メキシコの農場で育ったサボテンの葉っぱをすりつぶし、干して染色するという方法です。

製品に合わせて染色するので完成品はサボテンの緑色ばかりではなく、他の色も生産されているのでご安心下さい。

メキシコに沢山生えているサボテンが原料で、製造過程でも化学物質を使わないという点で環境にも配慮された革ですよ。

植物を原料としたヴィーガンレザーはまだまだあります。

パイナップルの葉やコルクの木の皮、昆布やキノコなど意外な物を原料とした革も開発され、製品化されてきているんですよ。

それぞれの革の名前や呼び方は以下の通りです。

原料 名前 よみかた
サボテンの葉 Desserto デザート
パイナップルの葉 Piñatex ピニャテックス
コルク(コルクガシの樹皮) Cork leather コルクレザー
昆布の繊維 Ocean leather オーシャンレザー
マッシュルームの菌 Muskin ムスキン

革にするまでの製造方法は植物そのものをすりつぶしたり、植物が持つ菌を培養して線維のようなものを作り出したりと様々です。

まる子
まる子

どれも環境になるべく優しい製法が心掛けられているようです。

このように天然素材から作られた革は、通気性が合皮や人工皮革よりも優れているものが多いです。

だから使い心地の面からいうと、合皮や人工皮革よりも快適さは高そうですね。

使いやすさは問題なし

ヴィーガンレザーを日常使いするにあたって、取り扱いのしやすさも重要な所ですよね。

水分への耐久性と、重さについて見ていきましょう。

水に強くて雨の日も安心

ヴィーガンレザーは基本的には水に強い加工がされてから製品化されています。

まる子
まる子

だから雨の日も気にせず使えますよ。

素材が合皮や人工皮革と同じ繊維のものであれば、もちろん水や汚れに強いです。

再生利用の素材から作られた場合でも、水にそこまで敏感になることはありません。

植物が素材の場合は、本来は水に弱いものもあります。

でも加工で撥水するように作られているものが多いので、基本的には水には強い方だと思って大丈夫ですよ。

本革に比べて軽い

重さについては、本革と比べたら軽いです。

ヴィーガンレザーに使われる素材は軽いものが多いので、重さが気になることはほぼ無いでしょう。

『軽くて水に強い』という売り文句で販売されているヴィーガンレザー製品も多いほどですよ。

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値段は素材によって差がある

ヴィーガンレザーの値段は、素材によって価格帯が変わってきます。

またブランドによっても製品価格の差があるので、明確にどれくらい違うのかは言えないのが歯がゆいところ。

本革も1万円以下~数十万円というように、物によって価格がバラバラなんですよね。

しかし傾向としては、安い順に並べると以下のようになりますよ。

  1. 合皮や人工皮革と同じもの⇒通常の合皮・人工皮革の製品と変わらない。(数千円~)
  2. 再生素材のもの⇒合皮・人工皮革と同じ素材のものより若干高め。
  3. 植物由来の天然素材⇒けっこう高い。

新しい素材になるにつれて価格が上がる傾向にありますね。

天然素材に関してはまだ開発が始まったばかりということもあって、手ごろな価格になるまでには時間がかかりそうだと感じています。

お手入れ方法は合皮・人工皮革と同じ

お手入れは基本的には合皮や人工皮革の革製品と同じで、このようにすればOKです。

  • 汚れた箇所を、乾拭きや濡らして固く絞った布で水拭きする
  • 落ちにくい汚れの場合は、中性洗剤を少量混ぜたお湯を布に含ませて、優しく拭き取る
  • いずれも最後は乾拭きで水分を拭いて、直射日光の当たらない風通しの良い場所で乾燥させる

ほとんどの製品が水に強い加工がされているので、汚れもつきにくくてお手入れが面倒だとは感じないでしょう。

防水スプレーも基本的には不要ですが、濡れた際に水弾きが良い方が好みであれば、本革用のものを使っても大丈夫です。

でも素材によってはシミになる場合もあるので、目立たない場所でテストしてから使いましょう。

ヴィーガンレザーは、本革製品に行う保湿のお手入れも不要です。

お手入れが面倒な人にとっても、ヴィーガンレザーはおすすめの革ですね。

ヴィーガンレザーの劣化や寿命はあるの

最後に、ヴィーガンレザーは劣化するのかという点と、どれくらいの年数使い続けることができるのかという点をお話ししますね。

ヴィーガンレザーの劣化や寿命については、使われている素材によってかなり差があります。

劣化するか 劣化の状態 寿命
合皮・人工皮革と同じ繊維素材 する 溶けたり、ひび割れる 3年程度
再生素材 しない なし
天然素材 する 不明 3年以上~

合皮や人工皮革の素材が経年劣化することは、よく知られていますよね。

再生素材として使われている『再生ポリエステル』は、生まれ変わる前の「ポリエステル」と同じ特徴を持っています。

ポリエステルは丈夫で、置いておくだけで自然に劣化することはありません。

だから再生ポリエステルで作られた革は寿命がないと言えます。

しかし汚れによってシミやカビができることもありますので、長年の使用によってくたびれてくるなどのタイミングで、いずれは買い替えが必要になると思って下さいね。

天然素材の革は原料の素材が様々なのと、ここ数年で出てきたばかりなので、耐久性についての明確なデータが少ないんです。

しかし、天然素材は再生ポリエステルほどの丈夫さは無いと思われるため、劣化はすると考えられます。

しかし劣化するとどのような状態になるのか、また寿命の年数がどれくらいなのかは植物の種類による、としか現在は言えないんですよね。

でも新たに開発しているからには、今まであった「動物以外の素材の代表格」である合皮や人工皮革よりも質が上がっており、結果的に耐久性もアップしているはずだと考えています。

ちなみにサボテンの葉から作られた革製品は、製造業者によると10年近く本革と同じように使えると言われていますよ。

まる子
まる子

数十年持つ本革よりは短いけど、意外と長年使えるのね!

まとめ

ヴィーガンレザーの素材や価格、お手入れや寿命などをまとめてご紹介しました。

ヴィーガンレザーはヴィーガンの人だけでなく、動物製品に抵抗のない人も快適に使える革です。

日常の取り扱いやお手入れも難しくないので安心して下さいね。

私は植物から出来ている革にすごく興味があるので、近いうちに購入したいと企んでいます。

気軽に使える革、そして天然素材から出来ているものについては「時代の先を行く革」として、是非使ってみて欲しいと思います。

あなたがパイナップルやサボテンの革で出来た革製品を持って出かけたら、注目の的になるに違いありませんよ!

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